hana

紅の豚のhanaのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
4.0
ジブリ大好きですが、意外にも今まで観る機会を逃していた本作。かの有名な「飛ばねえ豚は、ただの豚だ。」のクール過ぎる名言が聞けるのを今か今かと楽しみに鑑賞しました。

絵に描いたようなイタリアの美しい情景にジブリマジックの親しみ易さや懐かしさが加味されて何とも心が安らぎます。港町の開放感や古き良き街並みが映ると心が躍る。

主人公は深紅の飛行艇に乗る賞金稼ぎのポルコ。イタリアにある無人島のアジトで自由気ままに暮らす彼は、豚ながら人間のような振る舞いをする不思議な男。

初っ端から荒業をする空賊達が、行動先進型故のポンコツ振りを発揮するのに笑った。強盗を働くも計画性が無さ過ぎて、災難が自分に降りかかるなんてコントみたい😂

そんなポルコの人生は二人の女性との出会いにより大きく動き出す。一人は飛行艇の設計から整備までを一括して行う頼もしいフィオ。プロの働き振りと17歳らしい天真爛漫さのギャップが魅力的。
もう一人は、長年の友人であるジーナで、気品溢れる素敵な大人の女性。男性には媚びないが会う男を皆虜にしてしまう。

外見、内面が両極端な二人だけど、どちらも生粋のモテ気質で居るだけで場が華やかに明るくなる。そんな二人に好かれるポルコが羨ましい。

飛行艇乗り達の空が繋ぐ絆の描かれ方、当時の女性の逞しさや自立心を尊重する描写が凄く良い。ポルコの生き方を見ていると、「飛ばねえ豚は、ただの豚だ。」の名言もストンと自分の中に落ちていく。それ位、地上よりも空で何にも縛られずいるポルコが素敵でした。
hana

hana