明宏

クリスマス・キャロルの明宏のレビュー・感想・評価

クリスマス・キャロル(1938年製作の映画)
3.0
18世紀イギリスで書かれた原作小説の映画化。クリスマスの夜嫌な金持ちの元に4人の亡霊が。1人はもと共同経営者、残りの3人はそれぞれに主人公の過去現在未来のビジョンを見せていき、嫌な金持ちが改心してハッピーエンドという、大変素朴な子供向けのストーリー展開。

のちの『素晴らしき哉、人生』に影響を与えたであろうことは想像がしやすいが、クリスマスの夜に嫌なやつがいい奴になるという展開等も非常にオーソドックスに見えるがその流れの原点なのかも。

序盤で、会計係のボブが残業をしていると早く帰れ!としかり、ボブが休みたいと言うと、翌日絶対早く出社しろよと休みをくれたり、給料が支払われてないのですが、と催促すれば(渋々だが)支払ってくれるので、スクルージというキャラが現代日本の定規で見た時そこまで悪い奴に見えなくて、なんだか笑えてしまう。

そんな中、この物語のメッセージってのは簡単で、要は富を分配することでみんなで幸せになろうよって事なので、むしろこれだけ経済格差の大きくなってしまった現代において価値のある物語だ。と思ったが、この映画を嫌な金持ちがわざわざ観ねぇか。と思ってしまいました。
明宏

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