ひでG

耳をすませばのひでGのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
3.9
今、テレビで視聴。
もちろん、かつて観たことがあるけど、9時につけたら、やっぱ最後まで観ちゃった!

この映画のファンて、意外に多い。中には「ジブリで一番!」て、人もいる。

何故かなって、今回から観てたら、たぶんなんだけど、分かった気がした!

途中の想像シーンも在るけど、ほぼ雫と天沢君のかわいい恋物語に特化している。

天界やもののけや空の城や魔法使いも出てこない。
普通の中学生の淡い、かわいい恋の話。

だけど、例えば同じジブリと比較すれば
「魔女の宅急便」の魔女になるまでの話。
つまり、この二人はまだ何にもなっていない存在。
これから人生が始まる物語、

他のジブリ作品と比べても、あまりにも普通の人物。

これから何でもできる二人は、同時に今は何にも果たしていないということ。

私は何ができるのか、何がしたいのか、
そんな自分があって、その自分を見つめる延長線上に彼がいる、好きな人がいる。

天沢君がバイオリン作りを目指すと知り、私はどこに向かったらいいかと悩む雫。

実に瑞々しい。

特にラストは瑞々しさの塊!

あの自転車も、坂道と、交差する自動車もその前に見せているあたりも上手いね!

同じ場所でも、人物の心情、観客の心情によって違って見えてくることをこのスタッフはちゃんと知っている。

朝日から始まるエンドロールも、この作品を、この二人を象徴していて、清々しい!

これが長編デビューであり、遺作になった近藤監督、実に惜しい。
ジブリを背負っていく存在になっていただろうに、、
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