nam

耳をすませばのnamのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
4.2
「中学時代の淡い恋心や将来への不安をリアルに描いたジブリの恋愛映画」

いやー甘酸っぱかったーー
とてもいいですね。初々しい感じがとてもキュンキュンしちゃいます。

監督は近藤喜文さん。ジブリ作品の多くを手掛けた天才アニメーターでリアルでイキイキとしてアニメーションが素晴らしい方です。

逸話として宮崎駿監督の「となりのトトロ」と高畑勲監督の「火垂るの墓」の両作の制作が重なった際に両監督が近藤喜文さんがどうしても必要と取り合ったというくらいの天才アニメーターです。

ストーリーは中学3年生の女の子である月島雫ちゃんを主人公に恋や今後の将来への悩みなどを等身大に美しい切り取った作品で、キャラクターの表情やしぐさも素晴らしく、また背景などのリアルで緻密な描写も段違いのさすがのジブリクオリティです。

だんだんと存在が気になっていく天沢聖司君という謎の存在と「嫌な奴」の2つの存在が重なる前半とその盛り上がるパートのカントリーロードの歌唱シーンはとても素晴らしかったです。

そして後半は将来の夢への不安や焦り、そして好きな人から受ける影響などこの時期に抱く葛藤を丁寧に描いていていて、また素晴らしいです。進路に悩む中高生や就職に悩む大学生達の背中を押してくれるような作品です。

ジブリの描く素敵な恋愛映画です。
nam

nam