なでしこ

花田少年史 幽霊と秘密のトンネルのなでしこのレビュー・感想・評価

4.0
幽霊が見えるようになってしまった少年、花田一路くんの物語。
いいお話でした🌸

一路は海沿いの小さな漁港を舞台に、裕福では無いけれど家族元気に仲良く暮らしてます。
ある時、臨死体験と同時にセーラー服のお姉さん幽霊と出会ったことから、今まで見えなかった大事なことが(オバケだけじゃなくて)徐々に見えてきます。

昔、深夜にアニメ版をやっていて、なんとなくいい話だなあ〜と観た記憶があります。

途中、一路の親友と親友の亡くなったお父さんとの運動会でのくだりで涙腺崩壊しました。
(ここが一番感動した)

逆に、一郎の両親の若い頃のシーンで、父ちゃん役の西村雅彦の格好がもうありえなくて大爆笑🤣🤣🤣💦ヒドイ😂
90年代にあんな格好してる人いないよ〜。
これ観るだけでも価値ありです🤣

ラストはやや大袈裟なファンタジー風でくどさがあり、感動する前にちょっとひいてしまいましたが、楽しめる作品でした!

🍽美味シーン🍽
…… 以下すこ〜しネタバレ ……

★ ハムカツ ★
一路の親友であるソウタの母親が、同じクラスの女の子ケイちゃんの父親と再婚することになり、当然子ども同士は複雑に。
けいちゃんは、ソウタのお母さんから好物を聞かれた時に、「ハムカツが好き」と答えます。
けれどもソウタのお母さんは、けいちゃん用のお昼のお弁当にハムカツではなく、手作りのいろんなおかずの入った弁当を持たせます。
けいちゃんは、弁当を届けてくれたソウタに、私はハムカツが好きだと言ったでしょ。こんなもの食べない、とそのお弁当に手をつけません。

でもけいちゃんの本心は全く逆で愛情弁当に飢えていたんです。
なぜなら彼女は、いつも独りぼっちでお父さんが買ってきたハムカツを食べていたから。

ある日、けいちゃんは商店街でソウタのお母さんを見かけます。それはお惣菜屋で働く、あの毎日自分が独りぼっちで食べていたハムカツを一生懸命揚げているお継母さんの姿でした。
これを偶然見かけたけいちゃんの心にも変化が起きてきます。

↑は物語のちょっとしたエピソードの1部にすぎませんが、素敵なエピソードが色とりどりに詰まったお弁当みたいな作品です。
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