矢吹健を称える会

無宿者の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

無宿者(1964年製作の映画)
3.7
 アンソニー・マンばりの岩山から始まる。このタイトルバックだけでもただごとじゃない雰囲気で素晴らしい。その後の展開も時代劇というよりは、なんというか民話とか神話とかそういう類の抽象性で、三隅研次のドラマティックな画面との相性がたまらなく良い。
 終盤での女子供の使い方は若干陳腐だと思うし、ラストで石山健二郎がべらべらべらべら長く喋るあたりは醒めるのだが、エンドマークの出し方がまた絶品。『斬る』路線の傑作として記憶に留めたい。