Hideko

ジャック・ドゥミの少年期のHidekoのレビュー・感想・評価

ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)
4.5
原題: Jacquot de Nantes
英題: Jacquot of Nantes

ジャック・ドゥミの作品はまだ『シェルブールの雨傘』と『ロシュフォールの恋人たち』しか観たことがないですが、いきなり『シェルブールの雨傘』のワンシーンが出てきました。そうそう、何度も観ているのに…ジュヌヴィエーヴの恋人ギイは自動車整備工場で働いていたんだった。

ジャコの子ども時代のシーンは全て彼が実際に育った家で撮影されたとのことです。そして、本来ならジャック・ドゥミが監督したかったそうですが死を前にして具合が悪くアニエスが代わりに撮影したそう(IMDbより)

ジャコの家族。母親の髪結いとして、また主婦としてよく働く姿や父の自動車整備工としての誇りみたいなものが伝わってきました。第二次世界大戦という大変な時代の中、映画という夢を見出し、夢を追っていく姿が微笑ましい。最初は段ボールの手作りから…ところが父は整備工になれと大反対。そんな父親も遂に折れてジャコはパリの映画学校に入学します。

両親の愛に育まれて、好きな映画に没頭し遂に夢を叶え…ジャック本人が何度か登場しますが初めて見るその風貌からは優しげで穏やかな人柄がうかがわれました。お茶目なアニエスと優しそうなジャック。きっととても良い夫婦だったのでしょう。こんなに素敵に夫の子供時代を撮ったのですから。

アニエスの作品を何作か観ましたが、今度はジャック・ドゥミの作品を少しずつ観ていきたい…そんな気持ちになりました。
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