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ジャック・ドゥミの少年期の小のレビュー・感想・評価

ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)
3.5
ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家で夫婦のジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダ。シアター・イメージフォーラムの特集上映「ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語」にて鑑賞。少年時代から映画監督になるまでのジャック・ドゥミを描いた物語。

さらっと流れてしまった感じ。本作を見た段階では、ドゥミとヴァルダ本人と2人の作品について、良く考えていなかったことが大きいかも。

ドゥミの作品のもととなるような少年時代の経験と映画監督を志すようになった経緯について、ドラマと対応する作品のシーン、ドゥミ本人のインタビューを交えた構成で、きれいにまとまっている。

この作品はドゥミが脚本を執筆し、ヴァルダが撮った。見た後で知ったのだけれど、ドゥミはエイズを発症し、撮影する体力がなかったらしい。

そういうことも知っていれば感傷的な気分でこの映画に入り込めたかもしれないけれど、特段の思い入れのないで状態で見たせいもあって、あまり響かなかった(集中力の問題もあるかも)。

ドゥミ作品のファンならば、その創造の源泉を知る楽しさが大きいだろう。自分的には家業を継がせたい自動車修理工の父親と、どうしても映画監督になりたいドゥミの葛藤の物語に注目してしまい、やや物足りなさ感じたけれど、それは作品の一部にすぎず、中心に据えて見る要素ではなかった。

特集上映のテーマである幸せという観点から言えば、この映画が存在すること自体が2人の幸せの証なのだろう、という気がする。

●物語(50%×3.0):1.50
・きれいにまとまってはいるけれど、印象は薄め。作品をもっとみてから本作を見直すとまた違った印象になると思う。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・ドラマと作品、インタビューのつなげ方、構成が上手い。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・映画のシーンも相まって、イイかな。
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