くるみ

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスのくるみのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

『スター・ウォーズ』公開順マラソン、四作目です。新三部作に突入しました。エピソード4の感想に書いたように、このエピソード1が私のファースト・スター・ウォーズです。
ですが、最近になって評判がよろしくないことを知り、自分の思い出バイアスも認識していたので、期待値を下げて鑑賞しましたところ…

えっ!ちゃんと面白いよ???

逆の意味で意外でした。私も初見時の16年前より映画について詳しくなってるし、「ジャー・ジャー・ビンクスうざい」「ポッドレース長すぎ」とかの反対意見にも納得したので、そこまで世間とはずれた感想を抱くことはないと思ってたんですが…。まあ人は人、自分は自分なんで、このまま良かったところを挙げていきます。

ジェダイ苦難の時代からやってきた身としては、冒頭のクワイ=ガンとオビ=ワン師弟があざやかに敵を倒していくところだけですごいテンションが上がりました。ジェダイ無双すばらしい。「ジェダイの騎士?なにそれ」じゃなくて宇宙全体から一目置かれてるところがね。武芸にも教養にも秀でた賢人のようなポジション。アナキンが憧れるのも超わかる。

何より、クワイ=ガン・ジンが非常に良かった。リーアム・ニーソンのお父さん力が全開で、包容力とリーダーシップを醸しだしてました。終始おだやかで偉そうじゃないところが、知性のあらわれになっている。アナキンと話すときに、ひざまずいて目線をあわせる所作が尊いです。
オビ=ワンにつきましては、初見時は頼れる大人として見ていたのですが、私が当時のユアン・マクレガーの年齢を追い越したのもあって、今は若僧に見えました。作中の意図もこっちだと思う。クワイ=ガンが完成されたマスターだったのに対して、オビ=ワンは独り立ちはできるけど老成には程遠いという立ち位置ですね。

作中の時系列を逆に見えていくことは、歴史のIFを感じさせることです、この先に銀河共和国崩壊が待ち受けていることを思えば、作中の歴史の転換点が少しずれていたらあんな悲劇には…という気持ちを大量に抱きながらの鑑賞になりました。

たとえば、アナキンを導いたのがクワイ=ガンだったら…、アナキンと母親が一緒に引き取られていたら…、パドメがパルパティーンの助言を受け入れず不信任案を提案しなかったら…、何より、クワイ=ガンがアナキンを見出さなければ…を考えました。
アナキンはきらめく才能の持ち主で聡明で健気で、なのに奴隷として虐げられてるんだから、私がクワイ=ガンでも助けだすしジェダイに推挙するよ、ほんと…。アナキンが頑張れば頑張るほど「才能を認められちゃいけないのに認めてほしい…」という矛盾した感情を抱えましたね。光が強ければ強いほど、闇も濃くなっていく……

あ、アナキンがパドメと会わなければ、というのは今作ではあんまり思わなかったです。ロマンスとして進展するのが次作だからかな?パドメが娘のレイアと同じように、普通に兵士として扱われているのにはうなずきまくってました。あまり感情を出さないのは、女王らしさだと思うのですが、もう少し弱いところを見たかった気がする。

そうそう、旧三部作でジェダイの騎士の遺体は残らないんだとか書いたのに、クワイ=ガンの遺体がちゃんと残っていて、なんかハシゴをはずされた気分になりました。恥ずかしい。でもさっきwikiったらクワイ=ガンは霊体として残る秘術がどうの…ていうのをちらっと見たので、これ以降に明かされるのかな?
クワイ=ガンの遺体にすがりつくオビ=ワンを見て、スター・ウォーズを貫くテーマは父親の喪失なんだなと実感しました。
2015/12/16