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ガメラ対深海怪獣ジグラのHKのレビュー・感想・評価

ガメラ対深海怪獣ジグラ(1971年製作の映画)
3.4
ガメラ映画シリーズ第7作目。監督は湯浅正明。キャストは坂上也寸志(坂上忍のお兄さん)、グロリア・ゾーナ、佐伯勇、藤山浩二などなど

鴨川シーワールドの国際海洋研究所で住み込みで働いている父親を持つ健一とヘレン。父親の洋介とトムが休暇を取りにボートに乗っている所に紛れ込むが、ボートごと異星人であるジグラ星人に誘拐されてしまう。ジグラ星人は陸上の生物を家畜として食糧にするために、父子二人組を人質に関東にマグニチュード13の大地震を引き起こす。子供二人の機転により無事脱出するが、父親二人はジグラ星人の謎の催眠術にかかり動かなくなってしまった。怪獣ジグラも現れ絶体絶命になるがそこにガメラも駆けつける。

昭和ガメラの実質最終回なのかと思うと、前作のジャイガーに比べるとちょっと出来は落ちてしまうかなという印象。だが決して楽しめない作品でもない。

少なくとも、前作まであった回想シーンが無い時点である程度はストーリーに休憩タイムが無いのがまあ助かる。しかし残念ながら脚本がね…、ジグラ星人は家畜として人類をとらえたいのに、なんで初めに東京に大地震起こすのかが疑問だ。

いくら脅しとはいえ、東京の人口を考えればそんなところに大地震をあげるのは理解できない。それに、今作の子供たちはちょっとばかり活躍の場が無いような気がする。

お父さんたちが催眠術にかけられたから軍の人たちが解決策を子供たちに尋ねるときに「ジュースの一つも出ないのかしら?」と挑発するような言動とる。今までの子供たちの中で一番の糞餓鬼やな。

ただ、鴨川シーワールドでの女幹部との追いかけっこはまあまあ面白い。それだけかね。

それに今までは子供の機転や発想で問題を解決してきたのに、今作は大体大人達が解決の糸口を見だしていたのが残念だったね。(ソナーの仕組みを教えたのがイルカの飼育員の人たちだし、終盤の怪光線の手がかりも女幹部の人が紐解くし…)

それでも作品としてはある程度はクオリティーは保てているようなところがあるので別に悪いともいえない作品ともいえる。

終盤のガメラとジグラの対決シーンでジグラを楽器みたいにして演奏するシーンがあるが、まあまあ面白かった。その前に潜水艇を奪うシーンもユーモラスあってよかったと思う。

これで昭和ガメラシリーズも全て観終わったのかと思うと結構寂しい。しかしあと一つ残っている。それでガメラ映画コンプリートになるため楽しみだ。
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