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悪魔の陽の下にのtakerootsboyのレビュー・感想・評価

悪魔の陽の下に(1987年製作の映画)
4.0
おひさしぶりに見たけど、ほんまなんちゅー映画や。神も、悪魔も、文字通りの具体的な意味においては、まったく信じていない立場なので、どういう気持ちで見たらいいのかわからん笑 途中まではそれでものみ込みやすい。悪魔に身も心も食い破られるムシェットを演じるサンドリーヌボネールの怪演は鳥肌モノの気味悪さやし、実際悪魔に出会いちょっとした超能力を身につけてしまったがばかりに、女を死に追いやってしまう悩めるキリスト教の坊さんの様子も、ほんまこの人たち大変なモノを抱えて生きてるなー、と興味深く見れるんやけど、とある夫婦の子どもが死んだってくだりから、かなりホラーな展開になっていって、クライマックスの奇跡はキモすぎてビリビリきた。エクソシストくらいの象徴性と娯楽タッチなら安心して見れるんやけど、こんだけガチな芸術映画風に料理されると、ほんとに何とも言えない気持ちになる。この世界の背後に神がいるかどうかは相当疑わしいけど、悪魔は確実にいて、われわらは悪魔の陽の下で生きていくしかない…ってことなんかな? もしホントにそういう話なんだったら、あんた、そりゃあまりにもネガティヴが過ぎるよ、と言ってやりたくなる、余計なお世話やけど笑 冒頭から最後の最後まで陰惨極まりないテンションで、ベラベラ喋りまくる悩乱男女と、迷える人類の精神の弱さを、ノーユーモア&荒涼とした厳格さで描いた、傑作?なの?かどうかすら謎。でも、確かにインパクトはすごい。あと、めちゃめちゃ気になったのは、ブルーな光による夜中の表現。あれはどういう設定なんやろ。人物たちには真っ暗なんかな? それともあの明るさ設定? 悪魔がホモのオッさんって設定もさすがキリスト教やなぁと。あ、そうそう、キリスト教がいかに人間の幸福に対しては力なき宗教か、むしろ逆に人間を混迷に陥らせているかってのが、明確に描いてあるっていう点においては、かなり面白いと思った。何かそのうちまた見たいような、もう見たくないような、ほんと不思議な感慨を残す作品。