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サンダカン八番娼館 望郷のmikoyan358のレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.5
田中絹代の遺作+ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞獲得、の謳い文句につられて観たが、いやはや名作というものはまだまだ世の中にごろごろあるなあと思い知った次第。時代の波にもまれて辿ってきた人生を完全に否定されてきた「からゆきさん」のタブーに正面から切り込み、正直鑑賞時間の大部分は辛い気持ちに苛まれるのだが...ああほんと観てよかった。その話の只中に存在した田中絹代は、かつての大スターという看板をかなぐり捨てサキ婆さんが本当に憑依したかのような圧巻の演技で、これで女優人生を締めくくれた事が羨ましく思えてくる。加えて個人的には、凛とした佇まいの中にほとばしる真実への情熱を巧みに演じた栗原小巻がもう「美しい」以外の感想が出ず、リアルタイムで観ていたら一発で熱狂的ファンになってただろうなと別の意味で感慨を...w
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