狭須があこ

わが教え子、ヒトラーの狭須があこのレビュー・感想・評価

わが教え子、ヒトラー(2007年製作の映画)
3.1
ナチスの作品っていろんな切り口があるね。かつての悪夢をコメディにさえできる、今はいい時代だと思います。
描かれた内容に関わらず「描けない」ことが一番問題なんですわ。この世界に表現的な抑圧がないのをよく表してるよな

というのはまず建前ですわ。うん。
それはさておいて個人的にこの作品は合わなかった

まずドイツ映画のコメディって多分初めて見たんだけど、どこで笑っていいか全然わからない…
これをまだ笑える余裕がないユダヤ人も居るやろな、とはちょっと思った。
今までユダヤ人を一人の人間として扱わなかった人を、一人の人間として扱う映画ですもんね

イヤそりゃーみんな一人の人間だから、お互い付き合ってればいいとこ悪いとこに情がわくこともあるけど、
一番大事なところを傷つけてくる人の事情や人間性に、情がわくのは善人すぎるよ。わかるけどさ

わかるだけにグリュンバウム教授がかわいそうすぎて心が痛くて、ヒトラーのドジっ子ぷりとかに笑ってられなかった
周りが主導権握るくらいにヒトラー自身は迷走してるだけだけど、それでも紛れもなくこの組織のトップだからね

自分たちに危害を加えた人に恥をかいてほしいとか、ハデに失脚してほしいとか、そういう願望はないわ
まず仁義を通すか、反省する気もないなら死んでほしい(仁義を通しても必ず許すとは言ってない)

そもそもキライな人だから笑い者にしたいとは思わないので、このコメディワールドの水は合いませんでした

ハイルヒトラ!を言い過ぎなのはちょっと笑った。言い過ぎだよ。
狭須があこ

狭須があこ