一色景

ウェルカム・ドールハウスの一色景のレビュー・感想・評価

ウェルカム・ドールハウス(1995年製作の映画)
2.8
学校ではいじめられっ子に目をつけられ、いつも問題を起こすことからその秀才ぶりとは裏腹に教師からの印象は冷たく
家では優秀ながらもどこか根暗な兄と、両親から寵愛され、いつしか自分をどこか見下した態度で接するようになった妹、またそんな妹と比較され厳しく接してくる両親に囲まれ
全くもって「イケてない」生活を送る少女ドーン
そんな誰からの愛も知らない少女の生活がある日、兄が率いるバンドへ学校イチのモテ男が入ってきたことを期に一変する…

作品のテーマは「愛への渇望」と「男と女」といった感じ
愛を掴もうとすると離れてしまう、男を繋ぎ止めようとすると何処かへ行ってしまう…そういった前時代的ロマンスと思春期特有の鬱屈した気持ち、妬み、妄想の中にだけ棲み付く愛、承認される感覚
恐らく誰もが少なからず経験したことのあるであろう大人になる前のほんの少し苦味のある経験を少し大袈裟に、またややコミカルに描いた作品

画作りや男が羨望する女、女が羨望する男の像にはいささか古臭さのようなものは感じるが、テーマそのものが人間の根源的な部分にあるため、きっと誰もが感情移入しやすい作品かと思う
ただし説明的な部分はかなり少なく、眺めているとそのまま終わってしまうような作品なので、感じながら映画を見るのが苦手な人には不向きな作品かもしれない
一色景

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