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5つの銅貨のchakoのレビュー・感想・評価

5つの銅貨(1959年製作の映画)
4.5
実在のコルネット奏者 レッド・ニコルズの半生を描いた作品。

音楽映画としても、家族愛を描いた作品としてもとてもよく出来た作品でした。

タイトルの「5つの銅貨 (The Five Pennies)」とは、ニコルズが結成したバンド名のこと。
1920〜30年代、そのバンドにはグレン・ミラーやトミー・ドーシー、ベニー・グッドマンなどのスウィングジャズを牽引するレジェンド達が所属していて、若き日の彼らの才能を見出したのがこのレッド・ニコルズ

本作ではそのレッド・ニコルズをダニー・ケイが表情豊かに好演しています。ちなみに、劇中でのコルネットの演奏はレッド・ニコルズご本人の吹き替えとのこと。

実際のニコルズは控えめな性格だったらしいですが、劇中ではユーモアたっぷりなダニー・ケイが可愛らしい。
ハンチング帽に蝶ネクタイ姿で登場し、初っ端から音が大きすぎるからとミュートをつけさせられたり、「ラッパじゃない!コルネットと呼べ!」というセリフには地味に共感。うんうん、分かるよ。私もラッパって呼ばれるの嫌だった(笑)

そして、私も大好きなサッチモさんことルイ・アームストロングも本人役で出演。
サッチモさんに認められたニコルズが、
「あのジャズの王様に国一番だと言われた。でも本当の一番は彼だ。彼に近付きたい」
というセリフから、その当時すでにスター的存在だったサッチモさんがニコルズにとって、どれ程偉大な人で憧れの存在だったかが感じ取れる。

真っ暗なステージにスポットライトの光が当たり、トランペットのベルが照らし出され、サッチモさんのあの笑顔と音色が響き渡った瞬間からはもう釘付けに。

「When the Saints Go Marchin'In」での二人の掛け合い
ダニー・ケイの優しい歌声の「Lullaby In Ragtime」
そして、3人同時進行で歌い上げる「The Five Pennies」、「Lullaby In Ragtime」、「Good Night, Sleep Tight」

どの楽曲もパフォーマンスも本当に素晴らしかった。

そして物語は陽気で楽しい前半から、切ない後半へ。

音楽への情熱
友との友情
夫婦の絆
娘への愛情

レッド・ニコルズという人は愛情深くて、本当に愛に溢れた人だったんだろうな。だから時代が変わっても移り気な人々の心に響き、彼の音楽を愛する沢山の人がいた。
そんなラストシーンは感動の涙でいっぱいに。

ジャズ好きの人はもちろん、そうでなくても家族愛に溢れた作品なのでおすすめです!