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5つの銅貨のchiyoのレビュー・感想・評価

5つの銅貨(1959年製作の映画)
4.0
2022/3/10
1920年代のニューヨーク、田舎から出てきたコルネット奏者の青年レッド・ニコルズ。彼を演じたダニー・ケイがハマリ役で、特にルイ・アームストロング(本人役で出演)との掛け合いが最高だった。そして、楽団の結成、歌手ボビーとの結婚、娘ドロシーの誕生と、まさに順風満帆で満たされた日々。が、中盤以降から作品の趣きが変わり、辛いことの連続である。中でも、ドロシーがレッドのお休みのキスを拒む姿、雨の中でひとり佇むドロシーの姿が切ない。また、伝記映画でよくある「成功→挫折→復帰」の人生が描かれるけれど、レッドが音楽から離れた理由は驕りでも落ちぶれでもなく家族愛。だからこそ、彼の幸せを願って応援してしまうし、ラストのサプライズの連続は観ているこちらまで嬉しくて思わず涙。音楽も聴き応えがあり、とても素敵な映画だった。
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