どんなに悲しくても、明日はまた新しい日
母の一押しムービー♪
本当に素晴らしい作品だなぁと余韻に浸っています。「素晴らしき哉、人生」が好きな人は、たぶん今作も好きだと思うな~。
「最近の映画は最初から最後まで、クライマックスの連続だ」
ある監督が言っていました。そしてそれに慣れてしまった現代人は心(頭)の体力と感受性を失っていると。。
今作を観て、まさにその通りだと思いました。
観終わってから物語を振り返ると、「このクライマックスのために、あの場面もこの場面も必要だったんだ・・・!」という感動が押し寄せてきます。憎いほどに、これぞクライマックス!という終わり方なんです。キラキラした最高の瞬間で幕を閉じます。
前半は楽しい気分になれる音楽。
後半は家族の物語・主人公の葛藤。
トランペット奏者の主人公レッド。
田舎者だと馬鹿にされていた彼だが、ルイアームストロングとのセッションを行ったことで実力を認められるようになる。
そして結婚し、子どもが誕生。
順風満帆な人生のように思われたが・・・。
「君に歌を作った。モーツァルトより良いパパだ」
娘ドロシーを寝かしつけるため、一緒にポーカーをしたり、自作の歌をうたう。そして、ルイアームストロングとのセッションも披露。
ドロシーが眠りにつけるよう、ルイも歌ってくれます。
「悩みなんか夢に流して・・・おやすみ」
仲睦まじい父と娘。
しかし、レッドの遠征が忙しくなるため、ドロシーの教育上良くない。そこで、彼女を寄宿学校に入れることにするんです。
誕生日もクリスマスも両親に会えない。
ドロシーの中で寂しさが募る。
両親の遠征先を鉛筆でたどって、会える日を待ち遠しく思う。けれど、いくら待っても会えない。地図にぐちゃぐちゃと殴り書きするカットは本当にいじらしくて、心が痛くなります。
そして、ドロシーは寄宿学校に入れることを提案した父を恨むようになってしまうんですね。
そんなある日、ドロシーは小児マヒにかかって両足が不自由になってしまう。そこでようやくレッドは気付くんです。ドロシーがどんなに寂しい想いをしていたか。自分のせいでドロシーは病気になってしまった。父親なのに、何をしているんだと自分のことを責めます。そして、自分の生活を改める決心をする。
初めは頑なだったドロシーの心も、レッドの必死の働きかけで徐々にほぐれていきます。
楽団を辞めて、大切にしていたトランペットを捨てた父。
造船会社で働き、家族に尽くすんです。
ドロシーが大きくなって、誕生日パーティーが開かれる。そこで、久しぶりにトランペットを手にしたレッドは、まともに音が出せなくなっていた。
ドロシーはだんだん思い出します。
なぜ父が楽器を辞めたのか。
そして、こんな言葉をかける。
「パパ、私ずっとお礼を言ってなかったわね・・・」
(この場面から大号泣。ラストまで涙が止まらなかった(´Д⊂ヽ)
トランペットをもう一度やってみたらどうか、という妻と娘の提案にレッドは・・・「18の若造でもあるまいし、今更やり直しなんて無理だ」「昔の仲間は今やみんな大物になってる。そんな中、俺だけ笑いものになるだけだ」
そんな気弱な父の背中を娘が後押し。
「パパ、本当に無理かしら?昔のようにやれない?」
「私の脚を見て、笑う子もいるわよ!」
もう一度トランペットを吹くために。
もう一度自分の足で歩くために。
父と娘、2人のリハビリ姿が重なって見えます。
そして、レッドの復帰公演。
お客が少ないことにがっかりするレッド。友人のトニーが慰めます。「お前のファンが2人来てるぜ。俺には望むことも出来ない宝だ。あの2人だけのために演奏しろ」
演奏し始めると、思いもよらない嬉しいサプライズが・・・。
「大丈夫、もう人に頼らずに立てるわ」
「パパもだよ」
うわ~ん(´Д⊂ヽもう涙が止まりませ~ん!
なんて美しいラストなんでしょう!
じんわり温かい気持ちが広がります。
ただの音楽モノではない。
ただの家族モノでもない。
私はこの物語が大好きだ・・・!!!
この銅貨で祈れば どんな願いも叶う
この銅貨で夢見れば どの夢もみんな楽しい
この銅貨で踊れば キラキラと輝く美しさ
この銅貨で笑えば どんな涙もかわく
そしてこれは最後の銅貨 一番大切な愛する銅貨
5つの銅貨さえあれば 君はそれで億万長者