すごく好き。
一緒に踊って歌いたくなる演奏シーンが盛りだくさん。サントラ欲しい。
それにしても、
なんて波乱万丈な人生なのかと。
唐突な出会いと結婚、数々の失敗からの成功、そして全てを捨てて手に入れたものー。
小さな幸せを取り戻すクライマックスも良いけれど、本人のリアルな人生的には人生の終盤、「あなたを映画化したい」と話が来るわけで。
失ったものと得たものどちらも大きすぎて心の葛藤は劇中で描かれているよりももっと大きく苦しかっただろうと思わざるを得ない彼の波乱すぎる人生の後期に舞い込む映画化の話。
そして演者には、ルイ・アームストロング本人ー。
一時は忘れ去られていた自分の存在が、落ち目だから逃げたのだなどとあらぬ噂をされ、それでも人知れず逞しく生きてきた自分の人生が、映画として形になり世に出て後世まで残るという結末は、なんて幸せな人生のご褒美なのかと。
映画の評価からは外れてしまうけれど、彼の人生に思いを馳せたら、後からじわじわと感動した。
なお、1965年公開当時、54歳。6年後の1959年に急性心筋梗塞で永眠することになる。
造船所で働き音楽と関わらない時期の遣る瀬無い想いは計り知れないが、悔しさや惨めさを乗り越え挑戦した先で、想像だにしない報いを引き寄せることになるドラマチックな人生。
私はこの映画で彼を知ったが、もっと彼の人生や音楽を知りたいと思った。