イチロヲ

サランドラのイチロヲのレビュー・感想・評価

サランドラ(1977年製作の映画)
4.0
核実験場跡地で立ち往生した7人組の家族が、奇形の猟奇殺人鬼ファミリーに襲撃されてしまう。荒涼とした荒野でサイコキラーに狙われる恐怖を描いている、スラッシャー・ムービー。

赤子と飼い犬を擁する家族が、長距離移動中に立ち往生。飼い犬がいち早く反応するところから、ジワリジワリとホラーを構築させていく。醜い姿をもって生まれた殺人鬼ファミリーが、暴言を吐きながらアグレッシブに立ち回る。

「悪魔のいけにえ」の壁が厚すぎるため、殺人鬼のキャラがインパクト負けしているが、無線機で連絡を取り合いながら、荒野を暗躍する姿に面白味が詰まっている。本作で当たり役を獲得した、マイケル・ベリーマンの奮闘ぶりにも感動することができる。

「凄惨な暴力を振るわれたら、凄惨な暴力で仕返しする(自己防衛する)」という、暴力の連鎖が扇情的に描かれている。大陸の住民からしてみれば、長距離移動の恐怖が生活と隣り合わせということ。そこに主眼を据えているところが醍醐味となる。
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