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パンチドランク・ラブのveのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
5.0
歪でありながらあまりにもストレートなロマンティックさにグッとくる。恋に落ちる幸福感に溢れた傑作。
「一生に一度」の出会いを果たした男女にはマジカルな瞬間が訪れるもの。2人が急接近する場面では、それに呼応するかのように周囲に強烈なノイズが発生する。しかし、その間も互いの声だけがまっすぐに聞こえてくるのです。そして視界は相手だけを認識し、夢のような煌めきに満ちる。

そんな甘美な恋の描き方だけでも素晴らしいのですが、ヘンテコな人間を肯定する展開も見事。主人公は恋によって成長するのではなく、扱い方が分からなかった負のエネルギーを環境次第でプラスに転化できるようになる。それが如実に表れる後半に、観客は圧倒的な爽快感を得られます。その変化を暗に示すアイテムであるハーモニウムの音色も相まったラストの何と心地良いことか。

電話(もしくは受話器)の存在が彼らの関係に大きく関わっていることや、当然彼が集めたマイレージにも注目しなければならない。挙げたらキリがないほどに、いくつものアイテムが作品を豊かなものにしている。クセが強く万人には薦められませんが、大好きでたまらない映画です。