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脱出のらのレビュー・感想・評価

脱出(1972年製作の映画)
3.6
この映画はちょっと異質な気味の悪さがある。単純には文明が自然の、都会人が田舎人(地元民)のしっぺ返しを食らうという構造なのだが、現実(事実)が恐怖や偏見や妄想と混じり合って、より大きな悲劇となっていく。しかし、この映画のモヤモヤするところは、結局自然は恐ろしいので(恐ろしいというのは事実かもしれないが)打ち倒さなければならなく、田舎人への嫌悪感と偏見は増幅される構造になっているところ。でもこの構造すら不気味で(無邪気にも)少し魅力的だったりする。時々ゾッとするほどリアルな描写がある。本当に危ないし…。バンジョー少年とのセッション・シーンは名シーン。
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