この作品の前に見たのは「ミレニアム・マンボ」
それは観ながらポチっと購入してしまったけれど、こちらもその衝動に駆られていますが、理性を保っているので、まだポチっていません。
他の方も書いてますが「南国再見、南国」という原題がなんとも最高で。
わたしには「憂鬱」さはあまり感じなかったかな。
夏休み的な気だるさはあったとしても。
オープニングでの長回し。線路が映し出され、「あ〜侯孝賢監督だなぁ」とわかる。
人々の話し声などで、騒がしいオープニングを終えると一転、物静かなセリフも少ないシーンが続く。
主演のガオ・ジェ、実は同じ名で「ミレニアム・マンボ」にも出ている。
作品の順番でいうとこちらが先なので先に見るべきだったのかもしれないけど、
そんなこと言ったってしょうがないじゃないか状態。
この作品から日本人のプロデュサーが入り、今までの侯孝賢監督の作品とはちょっと違いあまりよく思っていない方もいらっしゃるようですが、色合い
間合い、音楽やその他、以前の作品でもみられるような他の監督に対してのリスペクトが伺えるシーンなどは、今までの侯孝賢監督の作品となんら変わりなく。
90年代というのはこのようなエネルギーいっぱいの時代だったんじゃないかと思ったりする。
いや、人ごとみたいに言っているけど私も10代は90年代育ち。
道路を走るシーン。
全体がグリーンになるのがとても綺麗だった。
やっぱり好きな作品は小さな画面ではなく、現実世界が反射してしまう画面ではなく、すっと静かに映画を吸い込むような、白いキャンバスに描いてある絵のような、そんな感覚でみられるスクリーンで観るのがいいなと思った次第です。