しんたにゆき

荒野のストレンジャーのしんたにゆきのレビュー・感想・評価

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)
4.5
今回の舞台はサイレントヒルだ!サイレントヒルのことあんまり覚えてないけどたぶん近いと思う。謎解き的に見ることもできて得した気分になれた。

どうやったら自分監督自分主演の映画で白馬に乗って砂漠の向こうからクールに登場するわって言い出せるような人間になれるねん。しかも街につくなり通りがけの女をレイプ 困ってる町民の弱みにつけこんでやりたい放題の豪遊 露悪癖出てしもてるやん、と思いきやそれも余韻の段になってじわじわ効いてくる。

流れついたところは海辺の(湖畔の?)小さい街で、もちろん酒場も宿も散髪屋さんも一軒ずつしかないけれど、「皆人がよく善人ばかり」街にはびこる悪人に困ってる人々のためによそからやってきた腕利きガンマンがああやこうやして再び去っていくという形式はそのままに、そこにこれまでのウエスタン映画の勧善懲悪観の裏返りを折り込んである。でもやっぱり「法で裁けない」観はここでも一貫しているな。

彼は善悪のこと考えすぎてあんな眉間に皺の頑固じじい顔になってしまったのかもしれない。もっと裏テーマみたいなんをそろそろ発見したいところ