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ウォンテッドのTEPPEIのレビュー・感想・評価

ウォンテッド(2008年製作の映画)
3.5
大変な世の中だが、「ジュラシック・ワールド」の3作目が撮影終了したという嬉しいがニュースが入ってきた。その時、主演のクリス・プラットがボコられた過去の作品を振り返ってみた。
今思い返すと、プロフェッサーX兼、ナルニアのタムナスさんがスター・ロードをキーボードで殴ってた時代があったって凄いな。「ウォンテッド」と言えば当初推されたのは準主役のアンジェリーナ・ジョリーと、ロシアの奇才、ティムール・ベクマンベトフ監督の映像革命だった。
予告編でもフォーカスされた、''曲がる弾丸''という、よくわかんネェけど格好いいのが好きな人たちを熱狂させた。

暗殺組織、フラタニティに突如入り、暗殺者になっていくウェスリーの活躍を描く本作。アンジェリーナ・ジョリー、テレンス・スタンプ、モーガン・フリーマン、コモンという豪華キャストが集合。

当時は演技派として有名になり始めていたジェームズ・マカヴォイは、この後ハゲになったり、ピエロと対決することになるとは、誰が予想できただろうか。
真面目な役が多かったマカヴォイが、荒れ狂い、ストレスを発散し、罵詈雑言浴びせながら暗殺しまくる痛快なアクションをこなし、役幅の広さを証明した。
そんな彼の友人役が宇宙のお尋ね者、ラプトル使いでブレイクするのも予想外だった。そう、クリス・プラットである。
両者にとっても、「ウォンテッド」は非常にターニングポイントになった作品であるも見返してみると思う。

「マトリックス」を彷彿とさせるアクションや哲学的なストーリーラインは、アクション映画の面白みを発揮しており、印象に残るビジュアル・エフェクトはさすがの低予算でも「ナイト・ウォッチ」を作り上げたティムール監督。「ナイト・ウォッチ」でもあったガラスを用いた、面白い、マジックのような映像にもビックリ。ハリウッドでは銃を使用できるし、これまでやりたかった事ができたとパンフレットでも語っていた。

セリフも汚い、残酷描写も続く作品だが、本質的な「覚醒」とか「生命の咆哮」を表面だけ摘んで、娯楽性を重視したアクションに混ぜたような楽しい映画になっている。

総評として、「ウォンテッド」はマンガ、テレビゲームっぽい雰囲気を感じさせない美しいビジュアル・エフェクトと、サプライズすぎる演者たちのアクションを楽しめる。道徳的にどうなんだろう、と思うシーンは多く見受けられるし、大雑把すぎる展開もあるが、クールな映像に釘付けになることは間違いない。
とりあえず、ジェームズ・マカヴォイが吠えながら、狂っちゃうし、クリス・プラットをああしちゃう、こうしちゃうので現在の見所はそれ。
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