dita

トレインスポッティングのditaのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
5.0
今日は時代を振り返る何かしらを観ようと思い、出勤前にぼーっと考えつつIpodの曲を適当にシャッフルしていたら1曲目に流れてきた曲が"Lust for life”だったので、今日はこれしかないと20年前のレントンに会うことにした。

20年前、ただひたすら走るしかなかったあの頃、ただひたすら悶々とするしかなかったあの頃、選んだ未来の全ては自分の責任の範疇で、それでもうまくいかないことばかりで、いや、うまくいったことも少しはあって、一応は社会人なんてものをやっていて、自分で金を稼いで、何とかまだ生きている。それでも、家族、親、友、恋人、なにひとつ得られず、なにひとつ守れないまま歳を重ねてしまった。クスリに手を出すことはなくても、現実からは逃げてばかりだ。

わけもわからずただただ格好いい映画だと思っていた20年前とは違い、20年後のレントンと20年後のわたしを知った今、あの頃の鬱屈した思い、得たものと失ったもの、選んだ人生、色んな経験と感情が押し寄せてきてラストはどうしたって泣いてしまう。Lust for lifeを胸に秘め、自分で選んだ未来を歩くレントン、20年後のわたしはその道の先を知っているけれど、今はそれでいい。歩け、走れ。

20年前のわたしに伝えたい。どうあがいても、あなたの人生はあなたが選んだ人生だ。クソまみれの青春だったあの頃、落ち込んでばかりだったあの頃を嘆いても始まらない。心配するな、落ち込むことはこの先たくさんある。とりあえず20年後のクソみたいなわたしに向かって歩け、走れ。この先は一緒に考えよう。未来を、人生を選ぼう。まだ遅くない。まだ生きてやる。


※コメント欄はリバイバル時に劇場で観た時のつまらない感想です。消すのもアレなのでそのまま残します。
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