ガラムマサラ

トレインスポッティングのガラムマサラのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.7
欲と快楽の赴くまま、人生を刹那的に生きる青年たちの物語。


いやあ、主要のメンバーのスレっぷりったらないですね!
身を亡ぼすと分かっていながらやめられない薬、快楽のままに貪る性、刹那的なスリルと血の滾りに身を任せ奮う暴力、そして金。

彼ら五人の前に常にぶら下げられている蜘蛛の糸には見向きもせず、或いは掴んだもののまた再び快楽に身を堕とし犯罪にまで手を染めていく様は社会問題の縮図を見ているかのようでした。

でも完璧な悪かと言われるとそうではなく。
自分を悪だと背伸びをしているようにも見えるんですよ。

なんかGTAシリーズに出てくるちょっと悪さしてみた若者たちそのまんま。
本物の悪には敵わないけれど刹那的な楽しさを求めていて、なんやかんや楽しそうではあるんですよね。長続きしないですけど。

現実逃避と言ってしまえばそれまでかもしれないですが………………。うーむ、ある意味等身大な人間の欲望なんで結構共感できるんですよね。主人公のレントンなんて特に。


でもやっぱ薬って怖いなと同時に思ったり。
ラリってるときの演出が、映像を頭の中で感覚として認識できるような表現で、ほんとかどうかはさておき「ああ、こんな感じなのか」って思いました。