たけちゃん

空軍大戦略のたけちゃんのレビュー・感想・評価

空軍大戦略(1969年製作の映画)
3.8
ドイツ軍のイギリス上陸を阻止した史上最大の空中戦に刮目せよ(๑•̀ •́)و✧



ガイ・ハミルトン監督 1969年製作
主演ローレンス・オリヴィエ


シリーズ「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」
第2弾「空軍大戦略」

本作は史上最大の空中戦と称される「バトル・オブ・ブリテン」を描いた作品です。

監督は007でお馴染みのガイ・ハミルトン。
次作が「ダイアモンドは永遠に」ですからね。
監督として乗ってる時期ですよ~( ˘ ˘ )ウンウン



まずは、ここで、少し第二次世界大戦をおさらいしておきますか?(笑)←飛ばしてもいいけどね……

1939年9月のポーランド侵攻より突入したWWII
ドイツ軍の機甲師団の機動力を活かしたいわゆる「電撃戦」により、あっという間にオランダ、ベルギー、フランスまでが占領されます。そして、窮地に追い込まれた連合軍兵士35万人を救出すべく実施されたのが「ダンケルクの戦い」です。
←楽しみですね~。ノーラン監督の「ダンケルク」背景を知ると、より楽しめます(^-^)




1940年6月
映画は「ダンケルクの戦い」の直後から始まる

家を失い避難するフランス人
意気揚々と進軍するドイツ軍
次の目標はイギリス本土への侵攻
そのために行われたのが、制空権を奪うためのイギリス本土への空爆作戦だった


3500機もの戦闘機を有するドイツ軍に対し、イギリス軍が有するのはわずか650機

ドーバー海峡なんて、目視できる距離ですからね~。一番近いところで、わずか34㌔。日本で例えると東京-横浜の距離ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

ドーバーの白い壁は、トランスフォーマー最後の騎士王でも映ってましたね~。バートン卿の家があった場所ですよ~(笑)

だから、ロンドンまでなんて、戦闘機で簡単に往復できちゃう(T_T)
特に「ザ・ブリッツ(ドイツ語で稲妻の意味)」とも呼ばれるロンドン大空襲は、57日間連続の夜間攻撃が行われました。この攻撃によって人命や家屋などに多大な被害を出しましたが、ロンドンっ子は地下鉄構内に避難して耐えたのは有名な話。

ロンドンは、大戦末期にはV2ロケットで直接狙われるし、これは日本の近況から考えても、人ごとじゃないなぁ。



電撃戦開始当時のドイツは準備が全く違う

まさに入念な準備と科学力を誇ったジオン軍に対して、安穏としていた連邦軍の姿そのもの(>_<。)💦


始めは防御線も脆いイギリス軍は、沿岸部を中心に次々と港や飛行場、航空機を失っていく

戦況の不利は深刻で、このままではドイツ軍の本土上陸も不可避という感じです。


しかし、ここで踏ん張ったのが、イギリスの王立空軍(RAF)なんですよ~\(^o^)/



戦闘機以上にパイロット不足も深刻な中、外人部隊も投入し、レーダー網を駆使した集団戦に切り替えます。残る飛行機が1機もないほどの総力戦でした。

このレーダー網を考案したのがダウディング大将のため、この防空監視システムを「ダウディングシステム」と呼ぶのですが、映画の中でも、実際どのように運用されたのかが描かれているので、確認してほしいですね。

そんなレーダー網を駆使し、得た情報を元に活躍したのがRAFの誇る新鋭機スピットファイアなんです。

映画の中で、戦況不利な現場将校がドイツの国家元首ゲーリング(ゲーリングは空軍上がりなんです)に
「何か欲しいものはあるか?」と聞かれ
「スピットファイアの中隊を」と答えるシーンがあるんですが、それほどの実力( ˘ ˘ )ウンウン


ドイツ軍の主力戦闘機メッサーシュミットと爆撃機のハインケルやスツーカに対するのは、英軍機のスピットファイアとハリケーンです。

メッサーシュミットは名機なのですが、航続距離の短いのが難点で、イギリス空爆に際し爆撃機の護衛ができなかった。そのため、ドイツの爆撃機はいいように迎撃されます( ¯−¯ )フッ



え〜っ、どれも同じに見えて、区別つかない~?(T_T)

では、ここでワンポイントアドバイス\(^o^)/
イギリス空軍は羽に丸~い的⭕のような模様が入っています。それに対し、ドイツ軍は黒十字✠の文様が入っていますので、それで見分けてね~(๑•̀ •́)و✧
戦闘機と爆撃機の区別はつく?
細かな機種は雰囲気でね(笑)




空爆シーンとか本当によく撮れているなぁ
ミニチュアと実写のバランスがすごくいい
特に、ガイ・ハミルトン監督は本物にこだわったので、戦闘機のアップは残存する実物を用いて撮影したようです。


改めて観ると、空中戦のシーンはスターウォーズのX-WingとTie-Fighterのバトルのようでしたね。絶対ルーカスはこの空中戦を参考にしてますよね!
構図がすごく似てました( ˘ ˘ )ウンウン



ハイライト
扇情的な音楽のみで戦闘シーンを描く
機銃音もプロペラ音もしない

優雅さすら感じ、まるで舞踊を観ているかのよう
操縦桿を握っているパイロットの緊張感に対し、傍観する我々には滑稽さすら感じる演出は、監督のアイロニーなのかな……


ラスト、冒頭とは別人に見えるドイツ将校の姿が印象的でした( ˘ ˘ )ウンウン


さあ、次回はドイツ収容所からの脱出を図る名作「大脱走」でお会いしましょう(^-^)