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虹の女神 Rainbow Songのyapのレビュー・感想・評価

虹の女神 Rainbow Song(2006年製作の映画)
4.0
2017.08.08鑑賞。片思い映画と安易にはくくれない変化球の映画だった。上野樹里が市原隼人にひそかに思いを寄せていることに、中盤以降までまったくわからず、冒頭だけ観ると、その思いが逆方向に見えてしまい、ますますわかりづらい。
これは一重に、観客もまた市原隼人の目線で映画を観てもらうという思惑があったのだと思うのだが、となると、中盤の市原隼人パートはただ彼のどうしようもなくダメで優柔不断な男であることを描いているに過ぎず、そこで上野樹里への想いに気づいたりだとか、上野樹里に思いを寄せるということも無いのだから、やはり変化球なのである。後半で上映される自主映画とそのときの登場人物たちの心情のシンクロ率も浅めで、ここではジャブ程度に過ぎない。
全てはラストの手紙と携帯電話で勝負に出ている。姉である上野樹里の想いを知る目の見えない妹・蒼井優のいい仕事ぶりと、目の見えない妹のために市原隼人が手紙を音読しなければならないという状況が相まって、感涙のフィナーレとなるのだ。この手紙は、中盤の相田翔子相手のダメダメな恋愛パートもあってもよかったかもと思えるほど、破壊力を持っているからスゴイ。
そして、携帯電話。自主製作映画の上野樹里のセリフとリンクしていたことがここでようやくわかる。合わせ技一本で勝負あり!
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