このレビューはネタバレを含みます
約10年ぶりにこの作品に触れました。
宗教と人種というテーマ、そしてソ連侵攻時代の話です。
10年前の中学生だった頃の私は、ハッサンが襲われるシーンや人を差別し厭う様子がうまくイメージできていませんでしたが、この歳になってようやく飲み込むことができました。
宗教の戒律、そしてそれがどのようにムスリム(もちろん全てのムスリムではないですが)を構築しているかという考え方が間近で見られるのもこの作品のポイントです。
ただ、歴史的フィクションとはいえ、現場に忠実に描かれた作品です。このような荒廃した地域がまだ存在するということも再認識させられます。
アミールとハッサンが最後に再会できなかった(アリとババも同じような運命を辿りますが)ことが寂しかったな。
中学生の頃も思ったのですが、きっとアリはハッサンがアミールの時計を盗んだのではないとわかっていながらも、アミールの気持ちを汲んでババに迷惑はかけられないという葛藤があったのでしょう。ハッサンはババの子だし、アリはハッサンに対して厳しくするということはあまりしないだろうし、アミールの肩ももたなければならないし。
年齢と歴史をどの程度理解しているかによって感じ方ががらっと変わる作品であると思います。