1SSEI

アメリカン・ビューティーの1SSEIのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「007/スペクター」でサム・メンデスは天才だと痛いほど思い知らされ、こいつの作品を追う必要があるなと思いまして、急遽時間を作ってサム・メンデス作品を鑑賞。

最初は
「サム・メンデス言うたらアメリカンビューティーでっしゃろ‼︎」
くらい代名詞のような作品になってるこの作品から。

なんと映画初監督でいきなりアカデミー賞の作品賞を含む5部門受賞というほんとに化け物作品です。

*ここからはレビューというよりは個人的な考察兼次見るときに理解を早めるためのメモみたいな感じ&長文です。ご了承を。

これ一応 中学生の頃に見たんですけどちんぷんかんぷん。
解説なんかを読んでも?な部分が多かったんですよね〜。

ほんで久しぶりに見たら、面白いやんけ‼︎

まあ、まず題名にもなってる“アメリカン・ビューティー”ってのはアメリカ発祥のバラの名前で作品全体を通してこのバラがたくさん出てきます。

特に印象的なのは主人公のレスターの妄想の中で娘の友達のアンジェラが服のチャックを下ろしたら大量のバラがブワワワワー‼︎‼︎と。
このシーンは大爆笑でしたね笑

それで最初みたときは、これアメリカを揶揄った話だから、俺らわかんないよねって思ったんです。

しかし、よく考えてみたらサム・メンデスってイギリス人。
だから視点としては我々日本人とかと同じ外部から見たアメリカだから、我々が理解できないわけはないと思うんです、きっと。(最初に脚本を執筆したアラン・ボールはアメリカ人ですが…)

ストーリーとしてはある中流家庭の一家が物凄い形で家庭崩壊するというもの。

全編通して変な人しか出てきませんが、この人達ってほんとに変な人なんですかね?変な人に違いはないんですが、こんな人って割とたくさんいるんだと思うんですよね(これはアメリカのみならず日本にも)

まず主人公のレスター。
自分より高収入の妻に頭が上がらず、娘との関係も上手くいかない。仕事もリストラ寸前で、朝シャワーを浴びながらオナニーするのが至福の時。

その上、娘のチアガール姿を見に行った所、娘の友人のチアリーダーのアンジェラに恋して、とにかくSEXしたい‼︎なんて考えながらオナニーしてるところを妻に目撃されて逆ギレ。
もうダメダメなお父さん…

しかし、こんな人絶対いるでしょ…

最近のデータでは根拠はわかりませんが、日本の女学生の13%は援助交際の経験があるとか。逆に言うと日本の女子高生の13%分も需要があるということ。街でもおじさんと女子高生が歩いてるのをたまに見かけますよね。
だから女子高生を好きになるおっさんはたくさんいます。

さらに体を鍛え出すってのもライザップがブームになってるってのから見てとれます。

あと奥さんのキャロリン。
女性が戦う時代になり、バリバリのキャリアウーマンですが、仕事はうまく行ってるように見えて大変。挙句は浮気に走っちゃいます。

娘のジェーンもモテモテな女と友達で踏み台状態だからこそ、ストーカーされたらちょっと嬉しい。

チアリーダーのアンジェラは一回読モになってモテモテのヤリマンを装おってるけど実は平凡な処女。

隣のお父さんはゴリゴリの軍人気質だけど、実はゲイ。
これは女子高で女の子が女の子好きになったりもしますし、映画でも軍隊や刑務所なんかのシーンではそういう下りはありますよね。

確かに変な人ばかりです。
でも周囲の人、あるいは自分が彼らとは全然違う人間だと言い切れますか?特にアメリカではこんな人いるんだと思います。

そしてテーマになるのは「核家族」

この単語は最近では小学校の社会の教科書なんかにも載っていて、大体90年代半ばくらいから社会問題化してきたもの。

核家族ってのは父、母、子供、祖父、祖母のサザエさんやちびまる子ちゃんみたいな家族形態ではなく、父、母、子供(一人っ子)のような家族形態の割合が増加する現象。

日本は割と昔から核家族の割合が高い国だったのですが、アメリカなんかは昔に比べて著しく増加の傾向にあるとか。
さらにそこに親の共働きや外食、デリバリーの増加で一家団欒の時間が少なくなり、離婚や小さい子供が夜一人で過ごすことが多くなるなどの問題が発生するという一連の流れが出来るというわけです。

このアメリカンビューティーはまさにそんな話ですよね。
大なり小なり共感できる登場人物達それぞれの想定できる中で最悪の事態が連鎖した結果、あの大惨事が巻き起こってしまった。

その裏にあるのは核家族化により家族の繋がりが弱くなってしまったという社会問題だと思うんです。それはアメリカのみならず日本にも当てはまることでしょう。

この映画はそれを『アメリカの美』として皮肉った作品なのだ‼︎

しかし、それだけでしょうか…
どうも引っかかるのはジェーンのボーイフレンドになるリッキーの存在なんです。

この作品で彼だけは唯一といっていい、ほんとに変な奴。
もちろん、麻薬のディーラーを小遣い稼ぎ感覚でやるティーンエイジャーはいたりするんだろうけど、彼は自分が美しいと感じたものをビデオに収めるんです。

その彼が美しいとするものは時に鳩の死骸であり、空を舞うビニール袋である。

そんな彼がなぜか引っ越してすぐから隣のレスターの家をずっとカメラに収める。つまりなぜかレスターの家は美しいと判定されているんです。

確かに、家族が崩壊し取り返しのつかないところまで行ったところで初めてレスター(奥さんも)は家族の大切さを実感する。

これが美しかった、
そう考えると納得は行くんですが、ただ一つ劇中で印象的に使われる「白いビニール袋」の映像の意味がよくわからずにいるんですよね。

人によっては「白人主義への批判だ‼︎」って解釈もあるみたいですが、僕はなんか腑に落ちないんですよね…。

まあ、それは次見たときの課題ってことで。この作品なんかは色んな人の解釈を聞いてみたいですね。これはあくまで僕個人の解釈なんで、人によって色々な解釈がある作品だと思います。

作劇上の部分で言うと、007シリーズで見せたような隅々まで配慮の行き届いた映像。007でエンタメと文芸映画をミックスしたように、コメディでありドラマでありミステリーであるという多面的な作品の構築とか、この時点でもの凄いよ‼︎サムちゃん‼︎

時間があれば、他のサムちゃん作品も見ていきたいんですが、SWの予習もしなきゃだし、いかんせん時間がない‼︎本当にない‼︎泣

ですので他の作品は少し時間を空けなきゃいけなくなるかもしれませんが、絶対観ていきます。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃるなら、こんな長文駄文申し訳ございません。