鹿苑寺と慈照寺

アメリカン・ビューティーの鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.2
一見幸せそうな家庭に見えるも、レスター(ケビン・スペイシー)は人生に疲れきっており、妻や娘との関係性は最悪。おまけに会社ではリストラ要因。そんな中、レスターは娘の同級生アンジェラに出会い、心を奪われてしまう。

とても虚しい話だなあと思った。レスターは何とかしてアンジェラの気を引こうとして筋トレを始めたり、葉っぱまで吸うようになる。未成年のアンジェラとお近づきになりたいという非常に不純な動機に反して、レスターはこれまでのつまらない人生から徐々に解放され、活力を取り戻していく。

人生って虚しいと思わざるを得ない。生きる希望を見出したのが、性欲ただ1つというのも。
ただ、そこには陥穽があって、悲劇的な結末を迎えるのだけれど、でも、最期にレスターは「人生に対する感謝」と「家族に対する感謝」という答えにたどり着いたのだから幸福なのかもしれない。不純な動機だったけど。
妻と娘に関しては、失ってからでは遅いんだよとどうしても思ってしまうから余計に虚しい。

人生を諦めていた冒頭と活力を取り戻していって後ではレスターの表情や仕草が見違えるようだ。ケビン・スペイシーの演技が素晴らしい。冴えない感じも良い。

レスターの独白で進むスタイルも非常に良かった。面白かった!!!

以下は個人的メモ
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パーティーに来て3分で疲れるレスター

「何も失うものがない普通の男さ」

「私は銃なんて……」
「自分の持つパワーを確信できる」

「ペニスをビン詰めにされたこんな囚人生活はご免だ」

「人生より物が大事?くだらない人生だ」
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