ハッピー野郎

アメリカン・ビューティーのハッピー野郎のネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ヒューマンドラマって基本主人公かその身近な人2人くらいにしか焦点当てられないのだけど、これは主人公家族とお隣の家族、少なくとも6人の人の内面を描き出してて強烈だった。それでいて話がごちゃごちゃしてないし。

お隣のお父さんは自分の中にも同性愛を叫ぶ心があったのに、自らの嫌悪で必死に押し殺してきたんだろうな。きっと認めるのが怖かったんだろうね。

ジェーンが反抗するのは親に仲良くして欲しいから。終盤でジェーン幼少期の回想入るけど、昔は仲良し幸せな家族だったんだろう。うちも親同士そんなに仲良くないからジェーンの気持ちは分かるとこが多い。

レスターとキャロリン。キャロリンは過去にすがってるのかもしれない。レスターに昔みたいに戻ってほしいと思ってるけど、レスターはたぶんそんな気ない。レスターが求めてるのは解放で、だからこそ美しい女のために筋トレして、仕事もやめて車を買った。豹変ぶりがすごい。キャロリンに「君はいつからつまらない女になった」みたいなこと言ってたけど、レスターほど正直で愚直な人は中々いないと思う。娘の友達に手出す時点で批判されがちだけど、私は魅力的だと思った。

ジェーンの友だちアンジェラがモテ自慢するのは何も持っていないという自信の無さの裏返し。相手を威嚇して自分を守るためだろう。

みんな不器用で上手くいかなくて、それでも必死でどうにかしようともがいてるのが綺麗に映し出されてて痛かった。救われて欲しかったな。
ハッピー野郎

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