ひろゆき

恋におちたシェイクスピアのひろゆきのレビュー・感想・評価

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
4.4
銀幕短評 (#172)

「恋におちたシェイクスピア」
1998年、アメリカ。 2時間 17分。

総合評価 88点。

1593年(ざっと430年前)のロンドンを舞台に、若き劇作家シェイクスピアが、彼を敬愛する良家の令嬢と激しい恋に落ちる。身分を超えて人知れず燃えさかる恋。

脚本、演出ともに うまい。長いけれど テンポがいい。物語は、代表作のひとつ「ロミオとジュリエット」の制作過程をなぞりながら、重層的、複層的な展開を見せる。恋愛の描写にとどまることなく、喜劇的な見せ場も多く、シェイクスピアの作風を強く意識したものになっている。

配役も豪華で、グィネス・パルトロー(アイアンマンの秘書ペッパー役)、コリン・ファース、ベン・アフレック、ジュディ・デンチ(007シリーズのM役)などを起用している。シェイクスピア役だけ知らないひとだが、芝居はとてもうまい。音楽もすばらしい。

シェイクスピアが劇作に没頭するとき、粗末な机に向かい、羽根ペンをけずりながら、アイディアの湧き出す速さで、脇目も振らずまばたきもせずに情熱的に紙に書き付けるさまは、ほんとうにワクワクするぞ。

これまで映画では「マクベス」(#19、66点、短評)、「ハムレット」(#134、68点、長評)を観ましたが、あちこちで書いてきたように、シェイクスピアは 夏目漱石に次いで わたしの好きな文士です。つぎは 映画の末尾で書き始めた「十二夜」を読もう。

アカデミーの 作品賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞、音楽賞、美術賞、衣装デザイン賞を受賞しています。
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