CureTochan

ニューヨークの恋人のCureTochanのレビュー・感想・評価

ニューヨークの恋人(2001年製作の映画)
3.5
かなり好きな映画なんだけど、本国での評価は低い。ディズニーが制作していたら、まだ良かったのではなかろうか。魔法にかけられて、の脇役イディナ・メンゼルのほうの話と、ブリジット・ジョーンズの日記を合わせたような話である。この王子様役っていうか、貴族のキャラが私も好きなんだけど、完璧すぎて彼の中に近代的自我みたいなもんがよく見えないのが、世界観が浅薄に感じられる原因で、これはブリジット・ジョーンズの相手の男も同じである。昔の男が魅力的だというモチーフは、小松左京の傑作短編「痩せがまんの系譜」に似ている。

話の冒頭に面白いセリフがある。メグライアンのいつものパターンで、今の男が出てくるんだけど、彼と別れるときに「私の一番いい時期をあなたに捧げたのに!」と言う。英語では確かI waisted the best time on youみたいな言い方だけど、ニュアンスはたしかに似ている(男も負けずに、あれが最高だって?と返し、やけに悲しい最後の喧嘩が完成する)。年齢は、西洋ではセンシティブな情報だけど、それも要するに若い女のほうがいいという見も蓋もない事実の重さゆえだろう。結婚もしないでダラダラ10年も引っ張るような男に、うちの人のいい娘が引っかからないことを祈るものである。
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