yoshi

ザ・コミットメンツのyoshiのレビュー・感想・評価

ザ・コミットメンツ(1991年製作の映画)
4.0
私にとって音楽映画の最高峰。

アイルランドのダブリンを舞台に、労働者階級の若者たちがソウルミュージックのカバーバンドを結成して成功をめざす映画。
出演者も当時(今も?)無名な人ばかりで、ドキュメンタリー感覚に陥ります。

社会派と呼ばれるアラン・パーカー監督が迫力満点のライブシーンをふんだんに盛り込み、バンドの結成から解散までを、監督にしては珍しく軽快に、そして爽快に描いた映画。

「ソウルは労働者のリズムだ。
ソウルは人に訴える。
シンプルだが、特別なインパクトがある。
ウソっぱちではなく真実の声だからだ。
人間の裸の心が発する声だ。
楽しいだけじゃない。がっちりとタマを掴んで、高みへ引き上げてくれる」

私はガッチリ掴まれました。
何と言ってもヴォーカルの歌声。
不況下のアイルランド。
どん底の暮らしの中でくすぶっていた労働者階級の若者の魂の叫び!
深みのあるシャウトで歌うアンドリュー・ストロング。
調べたらなんと出演当時、弱冠16歳!
彼の歌も凄いが、うぬぼれ屋で、存在自体がムカつく生意気さはとても演技とは思えない強烈なキャラクター。

あまりにリアル労働者階級。
しつこいですが、ドキュメンタリー感覚に陥ります。

サントラ盤はドライブに最適ですよ!
ウィルソン・ピケットの「ムスタング・サリー」、「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」にアル・グリーンの「テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー」
それにあのオーティスレディングの不滅の名曲「トライ・ア・リトル・テンダーネス」

この映画、意外と知られていないのかなぁ?
いや、ソウル・ミュージックが知られてないのか?

アレサ・フランクリン死去のニュースの報道の小ささを見て、愕然。
思わず、ブルース・ブラザーズと共に見直しました。
アレサ・フランクリンさん、謹んでご冥福をお祈りします。
ソウル・ミュージックよ、永遠なれ。
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