コン・ゲーム的な「出し抜く快感」が楽しめる佳作。70年代にはこういうクライム・サスペンスの小品や快作がそこここに埋もれているからタマラナイ。
銀行の警備や管理体制がザルなのはご愛敬。カタいこと言わない。
意外と侮れない脚本で、偽善者上司の不倫や、恋人のゲスい秘密を知らずにデキ婚してしまう同僚(何と、ジョン・キャンディじゃねーか!)など、本筋とは関係なさそうなサイド・ストーリーの中にも、「世の中には、表沙汰にはなっていないサイレント・パートナー(暗黙の共犯関係)があふれている」という裏テーマが忍ばされていて、そういう意味では倫理的に「けしからん」結末にも納得がいく。
余談だけど、お札がやけにカラフルだと思ってたら、カナダ映画だったんだな。