うわ～ん、変なもん見ちゃったよ～、夢に出るわ。コメディにしかならない川崎の「かなまら祭」とはドえらい違い。
お天道様の明るいところで、血みどろなし、変な音なし、こけおどし演出ナシなのに、静かに怖い。ホッケーマスクや鉤爪の殺人鬼より、無垢な笑顔の農民の方が数倍タチが悪い。
半分ミュージカルで中途半端にポルノ。卑猥な歌詞も頭おかしい振り付けも、コミカルなのが、かえって不気味。「♪ひび割れたヤカンに私の釘さして」とか意味不明。「釘」はまだ分からんでもないが、何で「ヤカン」やねん。そもそも「ひび割れ」ってどんな状態やねん。そこに釘さしたら一体どんなことが起こんねん。
キ●ガイ村って、普通に散歩してるだけでホラー。「エエから、おまえ早よ逃げろよ」って何度思わされたことか。それ以前に、いくら捜査とはいえ一人で来るなよ、こんな村。つーか、初日の晩に据え膳食っときゃ助かったのに、この40歳の童貞男が。
終盤は、土着の宗教を「非科学的だ」と批判するキリスト教の自己矛盾にも斬り込みつつ、後味の悪い鬱結末へ。カルトな名作らしいし、脚本はシェーファー（兄）だし、絵的には崇高で美しいエンディングだが、二度と見るかボケ！
期せずして、1973年５月１日の物語をきっちり50年後に観てしまったのも何かの縁か。嬉しくないわ、そんな縁。
