ローズマリー

フォーリング・ダウンのローズマリーのネタバレレビュー・内容・結末

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

466本目。
8月配信終了一気見22作品目。
な、なんて報われないストーリーなんだ。すぐカッとなって暴力から人殺しバズーカに威力がどんどん増していくけどでもこうなったのはクビになったのが一つの原因だし妻の娘と絶対的に会わせようとさせなかったりと色々ある。ほんとずっと怒ってる。



ウィリアム・“Dフェンス”・フォスター…軍需産業に従事するまじめなサラリーマンだったがストレスで心を病み突然暴走し始める。妻に離婚され娘とも会わせてもらえない。1ヶ月前に会社もクビになった。現在は母親と2人暮らし。不条理な社会に腹が立って仕方がない。
プレンダガスト…ロス市警の刑事。有能な刑事だったが妻が過剰に心配して騒ぐので定時で帰れる内勤にしてもらった。定年前に退職願を出し妻とアリゾナへ移住する予定。まじめで誠実な人柄のためロス市警では浮いた存在。
エリザベス…通称ベス。ウィリアムの元妻。現在は娘と2人で暮らしている。暴力を振るわれたことはないがウィリアムのことを恐れている。娘の誕生日に家へ来たいというウィリアムの願いを拒み彼の怒りに火をつける。
サンドラ…プレンダガストの同僚の女性刑事。プレンダガストのことを愛しているらしく彼の退職を心から悲しんでいる。プレンダガストの唯一の理解者。
アマンダ…プレンダガストの妻。最愛の娘を突然死で亡くし夫の優しさに依存しきって生きている。更年期障害の症状が出ておりよくヒステリーを起こす。

1991年6月12日。猛暑のロサンゼルスで白シャツにネクタイ姿のウォリアム・フォスターは道路工事による大渋滞に巻き込まれていた。『Dフェンス』のプレートをつけた車はエアコンが故障しておりクーラーが効かない。手動の窓も壊れておりウィリアムは灼熱の車内で苛立ちを募らせる。どうにも我慢できなくなったウィリアムは車を乗り捨てて立ち去ろうとする。文句を言う後続車の運転手にウィリアムは「うちへ帰る」と一言告げ茂みの中へ消えてしまう。現場にいたロス市警のプレンダガスト刑事は駆けつけた白バイ警官を手伝ってウィリアムの車を道路脇へ移動させる。ウィリアムは移民の多い貧困地区の公衆電話から元妻のエリザベス(以下ベス)に電話をかける。今日は娘の誕生日でベスは誕生日会の準備に追われていた。しかしウィリアムは何も言えないまま電話が切れてしまう。小銭がなくなったのでウィリアムは韓国人のリーが営む雑貨屋へ入る。両替を頼むがリーに「何か買って崩せ」と断られる。ウィリアムは仕方なく冷たいコーラを買おうとする。しかし高値をふっかけられて腹が立ちリーと喧嘩になる。ウィリアムはリーの護身用のバットを奪い店内をめちゃくちゃに破壊する。そしてコーラの代金を払いバットを持って出ていく。プレンダガストは今日付でロス市警を退職することになっていた。退職後は妻のアマンダとアリゾナへ引っ越す予定だった。内勤を望んで事務屋になり定年前に退職するプレンダガストは同僚からバカにされていた。有能な刑事のプレンダガストが内勤を望んだのは情緒不安定な妻のせいだった。妻は今日も早く帰るよう職場に電話してくる。
「不良の巣」と呼ばれる地域で休憩していたウィリアムは2名の若者にカツアゲされそうになる。ウィリアムは隙を見てバットで若者を殴り彼らの持っていたナイフを奪って逃走する。警察にはリーが被害届を出しにきていた。強盗事件担当のプレンダガストは彼の調書を取るよう言われるがウィリアムがコーラ代を支払ったと聞き事件にならないと判断する。ただ男が白シャツにネクタイ姿で店のバットを持ち去ったことはプレンダガストの記憶に残る。ウィリアムは改めてベスに電話をかけ娘の誕生日だから会いに行くと告げる。しかしベスはもし来たら警察を呼ぶとまで言ってウィリアムが家に来ることを拒む。ベスはウィリアムを怖がっており長く娘に会わせていなかった。バットで殴られた若者たちは仲間を集めてウィリアムの行方を追っていた。彼らの車にはマシンガンなどの銃が入ったカバンが積んであった。彼らは公衆電話の前にいるウィリアムを見つけ車から銃を乱射する。多くの人がこの乱射事件に巻き込まれるがウィリアムは無傷だった。若者たちの車はその直後事故を起こして停車する。ウィリアムは彼らの銃を奪い重傷を負った若者の足を撃ち抜く。そして銃の入ったカバンを持ち去った。その頃ベスは自宅に警察を呼んでいた。警察は一応彼女の話を聞くがウィリアムが酒もドラッグもせず暴力を振るったこともないと聞きベスが神経質すぎるのではないかといぶかしむ。警察では直前まで若者たちと一緒だった女性が事情聴取を受けていた。その女性がバットを持った白人が犯人だと言っているのを聞きプレンダガストはリーの話を思い出す。プレンダガストはリーの店を荒らした男が乱射事件にも関与していると直感しそれを同僚に伝えるが相手にしてもらえなかった。朝食を食べ損ねていたウィリアムはバーガーショップに入って朝食メニューを注文する。しかし11時半を過ぎているので朝食メニューは出せないと言われてしまう。時計の針は11時33分を指していた。ウィリアムはまた無性に腹が立ちマシンガンで店員を脅す。脅すだけのつもりだったが引き金が軽くて天井に発砲してしまい店内は恐怖で凍りつく。ウィリアムはあれこれ不満をぶちまけたあと注文したメニューの代金を払って店を出ていく。プレンダガストはこの犯人も白シャツにネクタイの男ではないかと考え現場へ向かったサンドラにそれを確かめるよう頼んでおく。
ウィリアムは娘の誕生日プレゼントにスノードーム型のオルゴールを買い家を目指して歩いていた。途中の公衆電話からベスに電話しようとするが電話が故障していたため怒りに任せて電話ボックスに銃を乱射する。サンドラからの連絡でバーガーショップで発砲した犯人も白シャツにネクタイ姿だったことがわかる。プレンダガストは妻から早く帰るよう催促の電話を受けていたがこの犯人を追うことに夢中になっていく。靴底に穴が空いていたのでウィリアムは中古の軍用品を売っている店に入る。サンドラはその店に聞き込みに行くが店主のニックはなぜかウィリアムのことを隠してくれる。ニックは警察無線を盗聴するのが趣味の差別主義者でウィリアムが移民を嫌って銃を乱射したのだと勘違いしていた。そうではないと訂正するとニックは態度を一変させて暴力的になる。プレゼントのスノードームを破壊され逆上したウィリアムはニックをナイフで刺したあと射殺してしまう。プレンダガストは白シャツにネクタイ姿の男を追うよう署長に訴える。しかし署長はプレンダガストを見下しており「俺は汚い言葉を使わない奴は信用しない」と言って相手にしてくれない。プレンダガストは自分でウィリアムを逮捕するしかないと考えサンドラと2人で現場へ向かう。
ウィリアムはニックの店からベスに電話をかけ後戻りできなくなった宇宙船の話をする。彼の異常さにと気づいたベスは家に警察がいると嘘をついて電話を切る。地元警察はベスの話を信用してくれず何かあれば電話するよう言って帰っていた。リーの店が渋滞している道路のすぐそばにあるのを見てプレンダガストは車を乗り捨てた男のことを思い出す。そして『Dフェンス』のナンバープレートからウィリアム・フォスターという男の名前を突き止める。軍服に着替えたウィリアムはニックが所有していたバズーカ砲を持ち道路の工事現場へ向かう。ウィリアムは大渋滞の原因となっているこの工事が予算消化のための無意味な工事であることを確かめるとバズーカ砲で道路を爆破する。プレンダガストはウィリアムの実家を訪ね母親から話を聞く。ウィリアムはベスと離婚後母親と2人で暮らしていた。母親はずっと息子は軍需工場で働いていると思っていたが彼は1ヶ月前に会社をクビになっていた。プレンダガストはきちんと整頓されたウィリアムの部屋で家族写真を見つけ彼が帰ろうとしているのが妻と娘のいる家なのだと気づく。しかし母親は孫がどこに住んでいるのかを知らなかった。
近道をするためウィリアムは会員以外立ち入り禁止のゴルフ場へ侵入する。そこで自分に向けてゴルフボールを打った老人に怒りカートを銃で撃つ。驚いた老人は心臓発作を起こしその場に倒れてしまう。ウィリアムは自業自得だと思っていた。その後ゴルフ場に隣接する大豪邸に侵入し管理人一家に遭遇する。管理人の娘を見てウィリアムは幸せだった頃の自分の家庭を思い出し思わず涙ぐむ。プレンダガストとサンドラは署に戻りベスの住所を調べる。ウィリアムはベスの家のすぐそばまできて再び電話をかける。ベスは近くにウィリアムがいることを察し娘を連れて急いで逃げる。入れ違いでウィリアムが家にやってくる。ウィリアムは誰もいない家に入り昔のホームビデオを見始める。ベスの住所を突き止めたプレンダガストとサンドラは現場へ向かおうとする。そこへヒステリーを起こしたアマンダから早く帰れという電話が入る。プレンダガストは突然死で娘を亡くした妻をいたわり彼女のわがままに付き合ってきた。しかし我慢することをやめアマンダを一喝する。さらに自分をバカにしてきた同僚を一発殴り署を出る。ホームビデオを見ていたウィリアムはベスが家の近くの桟橋に行ったのではないかと気づく。ちょうど家の外にはプレンダガストとサンドラが到着していた。ウィリアムは裏に回ったサンドラに発砲し逃走を図る。プレンダガストは救急車を呼びウィリアムを追う。桟橋の売店にいた娘はウィリアムの姿を見て喜ぶ。ウィリアムは怯えるベスを無理やり抱擁し自分に従うよう銃で脅す。周囲の人が銃に気づいて逃げてしまったので桟橋には3人だけが残される。ウィリアムは成長した娘を見て涙を流す。そこへプレンダガストがやってくる。プレンダガストはベスだけに腰元の銃を見せ自分が刑事であることを無言で伝える。そしてウィリアムが興奮しないよう穏やかに話し続ける。娘を優しい眼差しで見つめ自分に共感してくれるブレンダガストにウィリアムも心を開きかける。ベスは桟橋の入口までパトカーがやってきたのを見てウィリアムの銃を奪って海に捨て娘を連れて逃げる。プレンダガストはウィリアムに銃を向けおとなしく逮捕されるよう説得する。追い詰められたウィリアムはポケットにもうひとつ銃があるのだと嘘をつきプレンダガストにわざと射殺される。まじめに生きてきたのに不当な扱いを受け怒りを爆発させたウィリアムの気持ちがプレンダガストには痛いほど理解できた。ウィリアムの行動を正当化することはできないが海に浮かんだウィリアムの死体を見つめプレンダガストはやりきれない気持ちになるのだった。
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