ガブXスカイウォーカー

フォーリング・ダウンのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)
4.0
《あらすじ》
1991年6月12日のロサンゼルス。真夏の太陽にさらされたハイウェイで、道路工事による大渋滞が発生。巻き込まれた中年男性ウィリアム・“D=フェンス”・フォスター(マイケル・ダグラス)は車を乗り捨て「家に帰る」と言い残して歩き出した。行く先々で次々と事件を巻き起こし、過激になっていく彼の目的とは、別居中の妻と娘に会うことだった………。


次第に狂気がエスカレートしていくウィリアム。彼の叩きのめす相手は、
両替を断り、ウィリアムを馬鹿にした韓国人のコンビニ店主
通行料を寄越せなどと難癖つけて来たストリートギャングたち
差別主義者のミリタリーショップ店主
などなど、死んでいいクズばかりなので、共感たっぷり!
今作は、誰もが日常で感じたことのある不満を暴力でねじ込める、爽快なアクション映画である。現実には出来ないことを僕たちに見せつけてくれる! さすがウィリアム! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!
ただスカッとさせてくれるだけではない。実はウィリアムは元々、精神を病んでいたのだが、その悲哀も描いている。彼が老刑事に説得され、自分の間違っていたことにようやく気付いた時に選んだ道は・・・・。誰かに自分の人生を終わらせてほしい哀しみがとてもよく伝わってくるではないか。
マイケル・ダグラスの怪演はやばい。それを追う、退職間際の老刑事役のロバート・デュバルも味わい深い。
今作の公開は1993年と25年も前だが、劇中に出てくる数々の問題はなにひとつ現在でも変わっていないのは実に皮肉的と言えよう。