ハレルヤ

ロザンナのためにのハレルヤのレビュー・感想・評価

ロザンナのために(1997年製作の映画)
3.9
イタリアの小さな村で居酒屋を営む主人公のマルチェロ。余命わずかな妻ロザンナの願いを叶えようと奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。

もっと真面目な作風かと思っていましたが、予想以上に明るく温かみのある作風でした。ジャン・レノが幼くして亡くなった娘の隣の墓に入りたいと願うロザンナのために、孤軍奮闘するマルチェロを好演していて、笑いと感動を与えてくれます。

村の墓地の空きは3人分のみ。予約は出来ないし、同じく死期が迫った人も多くいるため、病人を見舞ったり、献血したり、挙げ句の果てに交通事故を起こさないために交通整理までするマルチェロ。ロザンナの前に誰も死なせまいと必死な努力をする彼の姿が面白いし、妻への深い愛情が感じられます。

愛する人の死は誰もが避けては通れない道。その時に差し掛かったら、どれだけの想いを相手に捧げれるか。大切なテーマですが、無駄に暗くせずに見やすくユーモアを交えて描いているのは良かったポイントでした。ちょっと倫理的にどうなの?と思った場面もありましたが、目をつぶることにしましょう。笑

派手さは全く無い作品ですが、見終わった後は心に温かさが広がる静かな感動があります。マーク数の少なさが残念ですが、気になる方は是非見てほしいですね。
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