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浪花の恋の物語のヒラリーのレビュー・感想・評価

浪花の恋の物語(1959年製作の映画)
3.6
内田吐夢特集
近松門左衛門の作品としては心中天網島しか見てなくて、冒頭のカラーの人形浄瑠璃はとても新鮮だった。
飛脚の忠兵衛は無理矢理遊郭に連れられ遊女の梅川と出会う。
その後梅川の元に通い詰めるも地方大名の身請け話が持ち上がる。
身請け金は250両、だがそんな金はない。
飛脚で預かった金を渡し、梅川を連れて出て行く…。
嘘に嘘を重ねてでも守りたい女、だがその先にあるのは死のみ。
こういう話は大概が逃避行の末心中して終いだけど本作は違う。
もう行き着く先がないにも関わらずなかなか着地しないからどうなるのかとやきもきした。
この浄瑠璃の最後はどうなるのですかと問われた近松門左衛門はまだ分からん(あの二人が捕まってない)というのもなんだかなぁ。
人間成り行きを操るようで心中複雑だった。
ラストは尻すぼみ…
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