lag

あゝ声なき友のlagのレビュー・感想・評価

あゝ声なき友(1972年製作の映画)
3.6
板前をやってた故郷は東京の兵隊さん。四十度の熱を出して内地送還。部隊は全滅。戦友に託された遺書を終戦後八年かけて配達する。最初にやにやしながら見ていたけれどその後の話し方と表情でわかった。ああこれは少しも笑えないやつだ。

巣鴨から出てきた大臣の父。駅で帰りを待つ姉。後を継ごうとした医者の父。廃人になった妻。虐待してきた親戚一家を皆殺しにした弟。原爆に。焼け野原で行方不明に。進駐軍相手に。再婚。初恋。

手紙の検閲。屍は返事をしない。生き残る者に対して死に逝く者ができること。忘れるということ。なにを望むの。法律も人間も死生観も信じられない。疲れた。なんとも言えない。でも観てよかった。
lag

lag