オトマイム

小さな泥棒のオトマイムのレビュー・感想・評価

小さな泥棒(1988年製作の映画)
4.0
向かうところ敵なしの16歳のシャルロット・ゲンズブール。つきたてのおもちみたいなほっぺと母親譲りのスレンダーな身体(脚長ーい)、ささやくような喋りかたもほんのり官能的。生き急ぐ少女の焦りや苛立ち、愛を渇望する寂しさがアンニュイな表情に見え隠れする。特に整った顔立ちではないけどこのオーラはなかなか類を見ない。
後半からラストは一気に持っていかれた。

ヴィクトル・ユーゴー引用の口説き文句→本を盗む、とか『不良少女モニカ』に似たシークエンスとか、トリュフォーらしさが散見される。少女版『大人は判ってくれない』と言われればそうなのだろうけど、それは頭から追い出して観たほうがいいんじゃないかなと思う。前半は少女のアムールにわりと時間を割いていて、ドワネル少年の展開とはけっこう違う。だけどこのパートもとても重要。