くろきつ

スーパー!のくろきつのレビュー・感想・評価

スーパー!(2010年製作の映画)
3.3
冴えない中年男が妻を誘拐した悪党から妻を取り戻すべく正義のヒーローとなって悪を退治していく姿を描いたバイオレンスコメディ。

嫌悪感を示す人も多いだろうジェームズ・ガン監督による賛否両論コメディ。私は好きと嫌いの狭間で揺れていた。というのも主人公のやり過ぎなキャラクターも好きだし相棒のサイコパス感も好きなのだけれどどうしてもこのコメディの調子にのれなかった。普通にクライム映画として楽しんでいただけでコメディとして笑えたかどうかと聞かれるとうなずけない。思ったよりも明るくなくて陰鬱な映像だったり展開だったからだと思う。今やマーベルで大人気ヒーロー映画を撮っている監督の映画とは思えない映画だったのは確か。でもよく考えてみたらスーサイド・スクワッドの続編と同じ匂いはした気もする。主要キャラがあっさり死ぬというコメディ要素はスーサイド・スクワッドの方にもあった。それとケビン・ベーコンという大物を使っておきながらありきたりな悪役を演じさせていたのが面白くなかった。もっとクセのあるキャラクターにしてほしかった。「パーフェクト・スナイパー」の時とほぼ同じだった。ケビン・ベーコンは間違いなくレジェンド俳優なのになぜこんな扱い方をされるのかがわからなかった。結論はキャラクターが薄い。主人公たちも濃いように見えるけど案外そこまで印象に残るような感じではなかった。もっとキャラクターに魅力があれば面白かったと思う。エリオット・ペイジ可愛いって思ったけどこんな役演じるのも嫌だったと考えると複雑な気持ちになった。エリオット・ペイジにはこれから前のカミングアウト前のキャリアを覆すほどの大活躍をしてほしい。
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