イチロヲ

ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎どものイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
雪男の発見に成功したヒマラヤ探検隊の隊長(片岡千恵蔵)が、裏に潜んでいる巨大組織の悪事に気づかされる。片岡千恵蔵をフィーチャーしている、無宿シリーズ第2弾(最終作)。

雪男役を演じているのは、相撲からプロレスへの転向歴をもつ俳優・羅生門綱五郎(黒澤明監督「用心棒」にも出演しており、ジャイアント馬場と間違えられることが多い)。本作では、「ウォー!」「ダァ、ダァ」としか喋らない、原始人キャラを熱演している。

"ニセ雪男"を演じる中年男(進藤英太郎)とグラマーな女性ダンサー(筑波久子)が、実質的な狂言回し。本物の雪男を庇う隊長と悪徳組織の板挟みに遭いながら、喜劇を牽引していく。雪男情報のリークに関わる隊長の妹(佐久間良子)も見目麗しい。

トボけた感じのエンタメ路線から、唐突な時代劇演技への転換がものすごく面白い。雪男のキャラ設定に疑問符が浮かぶけれども、ビックリマークとクエスチョンマークの連続性にエンタメの真髄が見受けられる。
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