ちろる

P.S. アイラヴユーのちろるのレビュー・感想・評価

P.S. アイラヴユー(2007年製作の映画)
3.9
爽やかに泣けるラブストーリー。
ヒラリー スワンク演じる主人公とジェラルド バトラー演じるその夫の愛の溢れる生活が突然奪われてしまう。
脳腫瘍ということで、一体彼はいつ頃から死の準備をしていたのだろうかというのもきになるところだが、愛する妻の性格を把握しきった夫だからできる最大のかたちで、彼女の立ち直りを図る愛の形がとてもロマンチック。
よく、亡くなる側の人間の死ぬ前の主観で描かれる作品は多いけれど、こちらは残された妻側の再生の物語。
自分がもしホリーの立場だったらどうだろうか?と考えてもやっぱり一度はホリーのように自暴自棄になってしまうのだろうなと思う。
もう、なにもかもどうでも良くなって親の電話も親友の誘いも断ったり、仕事復帰もやけくそになったり、立ち直ろうと努力してもちょっとした音楽で涙が溢れてきたりする。
極め付けが、なかなか結婚にたどり着かなかった婚活女子の親友が幸せになることを妬んでしまったりとかなりズドーンとしたホリーの哀しみがすごく理解できて、「そうだよね」って抱きしめたくなった。
なによりも付かず離れずの距離で見守るキャシー ベイツ演じるママが最高すぎた!
人は1人では生きられないから一番近くにいた大切な人を失えば、もうこのまま消えてしまいたいと思う。
でもふと、周りを見渡せば自分のことを大切に感じてくれている人が必ずどこかにいて、立ち上がるきっかけを与えてくれる。
でもやっぱその人を見つけ出すのは自分しかいないんだよね。
非常にナチュラルに、でもロマンティックに進む展開と、時折流れるアイリッシュミュージックがとても心地よくて悲しいけど素敵なラブストーリー。
強い女のイメージが強いヒラリー スワンクですが。こんなに可愛らしい役できるんだな(←失礼)って思って新たな彼女の魅力を発見できました。
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