みおこし

ジャンヌ・ダークのみおこしのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダーク(1948年製作の映画)
2.9
イギリスを知ろう!映画祭り。百年戦争ということで、フランス側の視点といえど多少イギリスのことも出て来るかと思ったけど、そうでもなかったですね。(笑)聖女ジャンヌ・ダルクの波乱万丈の人生を描いた一本。こちらはイングリッド・バーグマン主演作。

永遠の私の映画バイブル的存在『風と共に去りぬ』のヴィクター・フレミング監督作。1930年代を代表する名監督だし、題材も世界的に有名な史実なのでかなり期待していたんですが...。
なんでこんなに入り込めないのか自分でも分からないくらい、かなりテンポが遅めでした(笑)。『オズの魔法使』『風と共に去りぬ』よりも10年近く後の作品なのに、セットや装置もなんだか作り物感があって、むしろこの2本より前の時代の映画に見えました。
戦闘のスペクタクルシーンが結構あっさり終わってしまって、あとは宗教裁判にかけられて苦しむジャンヌの様子が延々と描かれるので、それで若干具合が悪くなったのも理由かも(笑)。いや、史実なので見届けねばならないとは思うんですが、それにしても痛々しすぎて見ていられなかったです。イングリッドの、決して揺るがない信仰心に厚いジャンヌの演技は圧巻でしたが!
でも、まだ人気に火がつく前のホセ・フェラー演じるシャルル7世、もう優柔不断&自分勝手の極みのナヨナヨっぷりがよく出てて、ハマり役でした(笑)。世界史の教科書で学んだシャルル7世のイメージ、個人的にはこんな感じだったのでものすごく合点がいきました。

ジャンヌ・ダルクの映像化作品は色々作られているけれど、どれもやっぱり悲劇的で観ていて本当に辛い...。19歳。自分よりも4歳も若くしてこの世を去らねばならなかった「ロレーヌの乙女」、その最期は想像を絶します。
無垢でまっすぐな彼女のイメージは、イングリッド版が一番ぴったりだったかも。年齢は当時30代だったようなので、すこーし違和感ありましたが(笑)それでもすごく綺麗でした!

フレミング監督の他の作品での人物の表情の捉え方が神がかっていたので、もっともっとジャンヌ以外の人物の人間ドラマに焦点を当ててほしかったと正直思いつつも、ずっと観たかった作品なのでようやく観られてよかったです。
DVDのせい?か、画像が粗くて悲しかった...(笑)。
みおこし

みおこし