エイデン

ジャンヌ・ダークのエイデンのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダーク(1948年製作の映画)
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英仏百年戦争の時代
フランスのドンレミ村に生まれた19歳のジャネットは、イングランド軍の猛攻で苦境に立たされるフランスを慈しむ中、いつしか神の声を聴くようになる
神はジャネットに、国のために戦い、イングランドに勝利することや、王太子シャルルをフランス王にするように命じる
篤い信仰心を持つジャネットは、叔父に懇願しロレーヌの守備隊長であるロベール卿へと会いに行く
しかし王太子シャルルに会いたいというジャネットの突拍子も無い話を信じるはずもなく、ロベール卿には門前払いを食らってしまうのだった
ジャネットは諦めず、来る日も来る日も門前に立ち続け、不気味がった民衆や兵士は、彼女を“魔女”と呼ぶようになっていた
そんな彼らにも信仰とフランスの勝利を説き続けるジャネットは、やがて“ジャンヌ・ダーク”と呼ばれ、皆の心を揺り動かして行く
ロベール卿も根負けしジャンヌの話を聴くと、その熱意に負けて従者をつけてシャルルの元へと送り出すのだった
シャルルをはじめとする貴族連中は戦争に興味はなく、遊びに興じる日々を過ごしており、兵士達も酒や賭博に興じる様子を見たジャンヌは危機感を覚える
それでも王太子に謁見したジャンヌは神の啓示を伝えるが、居合わせた貴族達は嘲笑するのみ
しかしジャンヌは、謁見した王太子が偽物であると見抜くと、貴族達の中に紛れていた本物のシャルルを見つけ出しこうべを垂れる
その様子に息を飲んだシャルルは、ジャンヌと2人きりで何かを語らい、彼女を戦線へと送ることを決めるのだった



マクスウェル・アンダーソンの戯曲『ロレーヌのジャンヌ』を原作とするジャンヌ・ダルクの伝記映画
作中だと英語読みのジェーン・ダークになってるけど、今よく知られたジャンヌ・ダルクで統一する

異端の魔女か本物の聖女か
奇妙な人生を辿り19歳の若さで火刑に処されたジャンヌ・ダルク
舞台でも人気の題材とあって映画化作品も多い中、豪華キャストと大金を投じて映画化した作品

主演はイングリッド・バーグマン
ちなみに本作の後『火刑台上のジャンヌ・ダルク』でもジャンヌ・ダルクを演じてる女優さん
ものすごい綺麗な方だけど、本作公開時には33歳という19歳を演じるにはなかなかのパワープレイを見せる
でも綺麗だから良し
戦い終わってくたびれた兵士も、彼女に「まだ行けるで」って応援されたら行ける気がしてくる

アカデミー賞でも7部門でノミネート
内カラー撮影賞とカラー衣装デザイン賞を受賞してるけど、実は評価はそこまで高くない
まるで舞台劇のような撮影で、豪奢な衣装も台詞回しも舞台劇そのもの
もう舞台観ればいいんじゃない?っていうのが1つ理由なんだけど、舞台とかが一般化しなくなった現代人から見ると、逆に新鮮に映る辺り面白いと思う

迫力ある戦闘シーンの高潔で凛としたジャンヌ・ダルク像から、異端審問のシーンでの信仰に身を捧げながらも年相応の少女の弱さを垣間見せる姿まで、その生涯を悲劇的に描ききった作品なので、歴史の勉強がてら観ましょう
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