ザ・クラッシュは高校生の時に2枚組ベストアルバムを聴いて、それはすごい好きでしたね~。本作はバンドのリーダー、ジョー・ストラマーを追ったドキュメンタリー。
ソロになってからの低迷期がちょっと長いけど、丁寧に作られた作品なのはよく分かる。まあその分ドキュメンタリーにしては演出ありすぎという批判もあるが、制作陣のストラマーへの敬愛なのだと思う。
ジョーやそのバンドの歴史など熱心に調べたことはなかったので勉強にはなる。しかしイマイチ感動しない感じも。ソーシャルメディアやトランプ政権誕生のせいで、大メディアが主導したい政治的議論の限界を知ってしまった。そういう時代から70年代を振り返ると、ザ・クラッシュが背負った理想主義みたいのに乗れないのかもしれない。クラッシュ結成までに知り合ったジョーの友人たちも、ネットスラングでいう「世田谷自然左翼」っぽい雰囲気がただよう。
セックス・ピストルズのリーダー、ジョン・ライドンの自伝を立ち読みした時、「ザ・クラッシュは人間としても音楽としてもすごかったけど、ジョーが当時のパンク業界はすごく良い状態で~みたいに言いたがるのは理解できなかった。みんな他人の足を引っ張るのに夢中な嫌な奴ばかりだった」と書いてあってビックリした。なんかそういうのも引っかかっちゃうんだよなー。
身も蓋もなく事実を言い当ててるのはライドンの方ではないか、という気がする。彼はトランプ支持でも有名だ。