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大樹のうたのmareのレビュー・感想・評価

大樹のうた(1958年製作の映画)
4.0
オプー三部作の三作目。前作の衝撃のラストシーンからオプーはまたしても自分の生き方を大きく変えることになる最終章。今作は大学を離れ青年期から大人へ向かう。職や生活といった現実的な安定を迫られるが、作家になりたいという夢が使命であるかのように付き纏い、さらにとあるきっかけで結婚と怒涛の勢いで人生に変化が訪れる。そしてまたしても避けられない悲劇に、子どもの誕生を経てオプーは父になる。前作で母と向き合ったオプーは今作は自分の子どもや運命を目の前にし、あらゆることから逃げ続け模索しその心の葛藤や絶望は計り知れない。そして忘れられないラストシーン。こういう星の下に生まれた人を見ると、人生とは一体...と思考が停止してしまう。オプー三部作は完結したが、父としての彼の人生はここから始まる。
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